考えるスピードと書くスピード/万年筆

考えるスピードと書くスピード/万年筆

いまどき万年筆を使っているのは、いまどき懐中時計で時刻を確かめているようなものでしょうか。
執筆をするときは、パソコンを使います。スマホやタブレット端末も使っています。
それでも万年筆を使うのはですね

「考えるスピードと、書くスピードが一致する」

なおかつ

「思考をジャマしないで書くことができる」からなんです。

国産では、パイロット、セーラー、プラチナ、中屋、笑暮屋などを使っています。
海外製では、モンブラン、ペリカン、モンテグラッパ、ファーバーカステル、クレオスクリベント……一番出番が多いのは、パーカーです。

パーカー・デュオフォールド・インターナショナル。この万年筆を2本持っています。
これから書くべき原稿の、構成や筋書き(プロット)や情報をまとめるときには、万年筆です。
パソコンのテキストでは、これが上手くいかないんですよね。

思考って秩序立って、頭の中を流れますか?。

アレを考えたり、コレを考えたり。足りない情報を検索したり、まったく別のアイデアが浮かんじゃったり、思考って支離滅裂です。

紙に書きながら考える方が、キーボードを叩いたり、スマホをいじったりするよりも、僕には向いているのです。文字の大きさ、改行位置、強調、書き加えの記録が紙には痕跡として残ります。

とくに小説を書くときには、ぜったいに万年筆です。
もちろん、構成やプロットがまとまったときには、キーボードを叩き始めます。

 

書く前の準備段階では、万年筆なのです。
鉛筆やシャープペンだと、紙に微妙に引っかかります。
ボールペンだと、紙に押しつけて書く微妙な力加減が必要です。
万年筆だと、ペン先から流れるインクがすべるように紙に描かれます。

無駄な力は、どこにもかかりません。
ストレスがない。それも微妙で繊細なストレスがない。
手紙も万年筆で、したためます。

便せんは、クレインかロームかコンケラー、たまにスマイソン。
僕が初めて買った万年筆がパーカー。デュオフォールド・インターナショナルでした。
30年前で、たしか4万円だったと記憶しています。

パーカー・デュオフォールド・インターナショナルは廃番になっていて、復刻モデルのパーカーデュオフォールド・クラシック・インターナショナルは、現在は86400円のようです。

「そんなに高価な筆記具を使うなんて、高尚な趣味だ」
「金持ちを見せびらかしたいから、万年筆なんか使っているんだろう」
「プロの作家は、それだけ投資できるかもしれないけれど、アマチュアは100円ボールペンで充分だ」

それは正論かもしれません。
でも興味を引かれたら、万年筆を使ってみませんか。
お勧めは、パイロット万年筆の「カクノ」です。

定価は1000円+消費税。

千円とは思えない、書き心地です。
カクノを使ってみて、さらに心地よく書きたいと思えたら、それから上位ランクの万年筆にステップアップしてみるのも、一興です。ちなみに高い万年筆が、もっともっと書き心地が良い。なんてことはありません。

僕の使っているモンテグラッパの万年筆は、並行輸入品で489000円しますが、高額の理由は装飾の意匠で、10分の1の価格で買った、パーカー万年筆の方が、はるかに書き心地が良いです。

『スケートでリンクをすべる楽しさを知っているなら、あるいは想像できるなら、万年筆はあな

たの友達になってくれるでしょう』

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