【文章ノウハウVol.6】読んだ直後から文章が上達する プロの小説家が伝授する作文術「する」

【文章ノウハウVol.6】読んだ直後から文章が上達する プロの小説家が伝授する作文術「する」

「する」は書かないように心がけよう

文章を書くときに心がけているのは安直に「する」と書かないことです。

「する」と書いてしまうと、意味が正しく伝わらないことがあります。

「する」と書いてしまうと、重たくて難しい文章になってしまうことがあります。

 

簡易だから多用される「する」

例を挙げましょう。

「する」の解決の文例も紹介します。

 

■開催する → 〇〇を開く

■交付する → 〇〇を渡す

■使用する → 〇〇を使う

■停止する → 〇〇を止める

■併設する → 〇〇を並べる

■確認する → 〇〇を確かめる

■出発する → 〇〇へ出かける/〇〇をあとにする

行為を示す名詞+「する」は、よく使われる表現です。

 

つい書いてしまいがちな「する」

それだけ書きやすく、表現しやすいと感じているので、つい「名詞」+すると書いてしまいます。

やまと言葉の動詞が存在するときには、そちらを使いましょう。

 

あっ、ほら。書いてしまいました。

 

■存在する → ある

 

ですよね。

 

やまと言葉の動詞があるときには、そちらを使いましょう。でした。

 

名詞+するは、官庁、役所などで多く見かける表現です。

 

「する」が日本語に根付いた理由

 

これは漢語が公用語だった時代の名残です。

 

江戸時代には、日本各地の各藩で話す言葉が異なっていた(方言)ので、文書の公用語として漢文が使われていました。

 

各藩の話し言葉の違いは、現代でいう方言です。

 

明治維新を迎えて、公用語は標準語にまとめられていくのですが、官庁の文書、役場の文書は、漢文筆記の名残から脱却できずに続いていました。

 

いや現代でも続いているのです。

 

短文で「名詞+する」と表現されるなら、誤解は起こりにくいのですが、「名詞+する」が連綿と連なって表現されると、ときには何を言っているのか分からなくなってしまうのです。

 

並ぶと分かりにくい「する」の文章

 

「先般の国際的紛争における我が国の対応については、閣僚と担当官庁との協議を行ったうえで、審議委員会を設立し、同審議委員会において、協議会を開催した後に、国会で審議するための報告を行う方針である」

 

いくつあるでしょうか。

 

そうです。「名詞+する」の表現です。

 

■協議を+行い(協議をする)→話し合う。

■審議委員会を設立し    → 話し合う場を作る

■協議会を開催した後に   → 話し合ったあとで

■国会で審議する      → 国会で調べ話し合う

■報告を行う        → どうなったかを伝える

 

書き換えれば、このように表現できます。

 

「今回、起きた外国とのもめごとを日本としてはどうするか。総理大臣と役人とで話し合ったうえで、もっと詳しく話し合う委員を選んで集めて、そこで話し合ってから、国会で法律を作るためのアナウンスをするつもりです」

 

お役所表現が現代でも息づいている理由は、

 

どうにも威厳がない。

分かりにくくても威張った表現を残したい。

言い直したり、書き換えたりする文章能力がない。

 

私たちは文章のプロです。なかでも作文のプロです。

イメージを具体的に読者に抱いてもらうためには、安易に「名詞+する」と表現してはいけません。

それでもつい書いてしまう「する」

 

どうしても必要な場面を除き、「名詞+する」の表現は回避するべきです。

 

あっ、ほら。書いてしまいました。

 

■回避する→避ける

ですよね。

 

ただし、「名詞+する」でなければ、どうにも表現できないケースもあります。

 

■電話する

■料理する

■掃除する

 

名詞+サ行変格活用のときには、言い換えをするよりも、「名詞+する」は自然に読んでもらえます。

 

まとめ

 

「名詞」+する をなるべく使わない。

「名詞」+するは漢語由来なので、やまと言葉に書き直すと日本語として伝わりやすくなる。

表現に威厳をもたせたいときには「名詞」+するを使っても構わない。

「名詞」+サ行変格活用のときには、するを使っても読みやすい表現になり得る。

 

浦山明俊

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